Friday 23 January 2015

タデ、涙のさよなら

オークランドシティのストライカー、エミリアーノ・タデが、アルゼンチンのクラブ・アトレティコ・デ・ミトレと2年間のプロ契約を結んだ。

26才のタデは、先月行われたFIFAクラブワールドカップでの活躍で注目され、故郷のクラブでプレーするという子供の頃からの夢を叶えようとしている。

アルゼンチンのサンチティアゴ・デル・エステロで生まれたタデは、ほんの6年程前にニュージーランドへ渡り、ウェリントンで皿洗いをしながら、後にオークランドシティで強力なコンビを組むことになるもう一人のストライカー、コラレスのいるチーム・ウェリントンと契約した。

彼は、今、素晴らしいキャリアの次のステップを踏み出そうとしている。

「地元のクラブ・アトレティコ・デ・ミトレは、私がサッカーを始めるきかっけを与えてくれたクラブ。このチームを応援しながら、私は育った」

「この移籍は、私にとって単にプロ契約をするという以上の意味がある」

「家族のように接してくれたオークランドシティFCを去るのはとてもつらい決断である」とタデは語った。

エクスポジート、ソウト、ディキンソンらの陰に隠れ、5番手のストライカーとして長い時間を過ごした、タデのオークランドFCの在籍期間は決して楽ではなかった。

タデは途中出場の機会を与えられるとタデはいつも貴重なゴールを決めたが、それでも次の試合はベンチに座っていた。

タデにとっては辛抱の期間であったが、タデとオークランドシティにとって幸運だったのは、この4年間にチームが9つの大きなタイトルを獲得したことである。

この成功は、トリビュリエッチ監督の存在が大きい、とタデは語った。

「監督の功績は大きい。監督がおそらく私を見出してくれた。そして、時には衝突することもあったが、いつも私のことを信頼してくれた」

「監督がいなかったら、今の私はいない。同じ私ではなかったはずだ。そして、先に行われたクラブワールドカップで、あなたのお蔭で私たちはここまで来れたと、監督に伝えた。

「私にとって、監督は偉大な人物で、チームとして、そして私個人として、我々のモロッコでの成功を助けてくれた人物である」とタデは語った。

しかしながら、タデのオークランドシティでの輝かしいキャリアには、3年前に母親を亡くすという悲しい時期もあった。

オークランドシティのフロントがタデに対し、大事な人との時間を大切にするように言ったこともあり、心ややさしいタデは、家族の待つアルゼンチンの故郷の町に帰った。

オークランドを離れて数か月後、タデは最終的にオークランドシティに復帰し、多くのサッカー関係者を驚かせた。

しかしながら、タデにはお互いの信頼関係があった。

「母が亡くなり、私がアルゼンチンに帰った時に、オークランドシティは落ち着いたら戻ってこれるように扉を開いて待っていてくれた」とタデは語った。「この心遣いがとても嬉しかった」

「オークランドシティでの時間は、私のサッカー選手として、そしてサッカーを離れた人生に於いても、最も大切なものであった。間違えなくこの時間が私を一人の人間として成長させてくれた」

「アルゼンチンに戻っても、人生は続くし、これまでと変わらぬ気持ちで臨む。ニュージーランドにバックパックひとつで来た私は、ある意味今でもバックパックを背負って世界を渡り歩いている」

「サッカーがプレーできれば、何事も上手くいく。夢があるからね」とタデは言った。

アルゼンチンの下位リーグでプロとしてプレーするというタデの選択に対して疑問を呈する者もいるが、タデはアトレティコ・デ・ミトレで成功したい気持ちを抑えられないと強調する。

「アルゼンチンでプロとしてプレーしたいし、それが毎週試合を見ながら応援してきたクラブであればなおさらだ」

「この気持ちを素直に受け止め、夢を実現する。1、2年したらニュージーランドに戻って暮らしたいが、それは故郷で目標を達成してからだ」とタデは語った。

そして、タデは、新しいが慣れ親しんだ周りの様子を眺め、オークランドシティとセントラル・ユナイテッドが獲得した数々の輝かしいトロフィーに思いを馳せた。

「私がオークランドシティFCに入団した時、この移籍がこれほど重要なものになるとは思ってもみなかった。この国で1番になれるクラブであることは知っていたが、チームに加わって初めて、このチームがより大きな目標を目指していることを知った」

「何が始まろうとしているのか知らなかった。そして、次第にこのクラブの目指すところを理解しだした。私にとって最も印象深いのは、OFCチャンピオンリーグに4回優勝したこと、ASBチャンピオンシップの優勝、ASBチャリティーカップとOFCプレジデントカップの優勝、そしてセントラル・ユナイテッドとしてASBチャタムカップに優勝したこと。すべての勝利が特別であり、素晴らしいキャリアを過ごすことができた」とタデは言った。

最後に、感極まって涙を浮かべたタデは、家族の様に慕うチームメートとクラブ関係者について話した。

「私のチームメート、ひとりひとりが、ピッチの内外を問わず私の人生を大きく変えた」とタデは言った。「敢えて挙げるとすれば、ベルランガやリエラには特に世話になった」

「ピッチの外では、バクシッチ会長、役員の皆さん、ケネリー総務は、私に対して、オークランドシティでプレーする素晴らしい機会を与えてくれた。

「彼らが私を信頼してくれたことが嬉しかった。チーム関係者やサポーターの皆さんから多くの愛と励ましをもらった。果たして自分は十分に応えることができたのだろうかと思う時がある」と言ったタデは、言葉を詰まらせて涙を浮かべた。

オークランドシティの次の試合は、1月25日(日)午後2時からキューイテア通りでワイBOPユナイテッドを相手に行われる。

試合後に、オークランドシティは、ニュージーランドサッカー協会の代表とオークランド市のブラウン市長から表彰を受ける。

プロフィール

エミリアーノ・タデ
26才
サンティアゴ・デル・エステロ(アルゼンチン)
1.78m

所属したクラブ
Club Atletico de Mitre (ARG)
Wellington United (NZL)
Team Wellington (NZL)
Auckland City FC (NZL)
Central United (NZL)

チームタイトル

FIFA Club World Cup Morocco 2014 - bronze medal
FIFA Club World Cup Morocco 2013 - 7th
FIFA Club World Cup Japan 2012 - 7th
FIFA Club World Cup Japan 2011 - 7th
OFC Champions League winners 2011, 2012, 2013 & 2014
OFC President's Cup winners 2014
ASB Premiership winners 2014
ASB Premiership runners-up 2013
ASB Charity Cup winners 2011 & 2013
ASB Chatham Cup winners 2012

個人タイトル

OFC Champions League Golden Ball (Best Player) 2014
OFC Champions League Golden Boot 2014
ASB Premiership Golden Boot 2014
OFC President's Cup Golden Boot 2014
Jack Batty Memorial Trophy (for Player of the Chatham Cup Final) 2012
Auckland City FC Players' Player of the Year 2014
Auckland City FC Supporters' Player of the Year 2014
Auckland City FC Golden Boot 2014

ASBプレミアシップ2014-15―第11節
オークランドシティ対ワイBOPユナイテッド
1月25日(日)午後2時
オークランド、キューウィテア通り

午後3時50分頃―オークランド市とニュージーランドサッカー協会(オークランド市のブラウン市長とNZFのアスプデン会長らが出席予定)による表彰

午後8時45分頃―クイーンズ・ワーフ(メインステージ)で行われるオークランド市姿勢75周年式典にオークランドシティFCが出席

原文



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